山岳テント基礎講座 8,特徴の一覧、失敗しないテント選び

山岳テントの種類と特徴一覧、こんな人にオススメ

山岳登山に使われる主なテントの特徴と、おすすめしたい人を一覧にして紹介しています。

この記事では、詳しい説明は省略しました。
詳しい解説が知りたい方は、当サイトの記事を参考にしてください。

おすすめは、私の個人的な考え方です。
これが絶対というわけではありませんし、この考えを押しつける気もありません。

登山は趣味です。
安全を確保できる範囲内ならば、使用目的に適してないテントを使おうが、それは個人の自由です。

オススメは、あくまでも参考程度に考えてください。

ダブルウォールドーム型テントの特徴と使いみち

メリット

○結露が少ない
○前室があるので使い勝手がいい
○軽量コンパクトになり、シングルウォールテントと大差がなくなっている
○9割以上の人が使っているので安心
○価格が安い製品もある

デメリット

○シングルウォールテントに比べると「強風、暴雨、雪」といった悪天候に弱い
○シングルウォールテントに比べると、強風時は設営に少し手間がかかる

こんな人にオススメ

○山岳テントを初めて買う人
○テント泊の初心者
○3シーズンの一般コースで使用する人
○複数人で使う人
○特別な登山での使用を考えてない人(特別な登山=雪中泊、クライミング、沢登りなど)

シングルウォールドーム型テントの特徴と使いみち

(注、「X-TREK™ファブリクス=ゴアテックス」を使ったものについての紹介です)

メリット

○悪天候に強い
○ダブルウォールテントに比べると設営がかんたん
○雪山でも使用可能(換気が必要)

デメリット

○前室がないので使い勝手が悪い
○ダブルウォールテントに比べると結露しやすい
○ダブルウォールテントと比べて、重量と収納サイズに大して差がない
○耐用年数がダブルウォールテントより短い(防水性能が衰える)
○一般的な登山での使用はメリットよりもデメリットが目立ってしまう
○価格が非常に高価

こんな人にオススメ

○積雪量が少ない山域での冬期テント泊
○天候悪化しても逃げ場のないルートでテント泊する人(岩稜ルートなど)

シェルターの特徴と使いみち

(防水生地シングルウォール構造のものについての紹介です)

メリット

○ドーム型テントに比べると重量は半分程度
○自立式シェルターなら設営がかんたん
○非自立式シェルターでも、ツェルトよりは設営の手間がかからない
○ツェルトよりも風に強い
○自立式小型シェルターは岩稜ルートでも使える
○ゴアシングルに比べると価格が安い

デメリット

○結露が酷い
○耐水性能がテントに比べて低い
○前室がないので使い勝手が悪い
○シェルターは、構造や生地が製品によって様々なので性能が未知数
○使用者によって使い方や問題対策方法が違うので、他人のレビューは、あまり参考にならない

こんな人にオススメ

○装備の軽量コンパクト化を要求される登山ジャンルに使う人(下記ジャンル例)
○トレイルランニングで仮眠目的に使いたい人
○アルパインクライミングでルート上で幕営する人
○沢登りに使う人

ツェルトの特徴と使いみち

メリット

○稜線で使える幕営具の中で1番軽くてコンパクト
○応用性が高くていろいろな用途に使用できる
○平坦地でなくても使用可能
○安価

デメリット

○フロアに防水性がないので対策が必要
○強風に弱いので対策が必要
○結露が酷い
○虫が入る
○知識と技術がないと設営できない
○知識と技術があっても、他の幕営具よりも設営に手間と時間がかかる
○弱い風でもはためくので、結露の水滴が降ってきたり、音を立ててやかましくなることがある
○撥水生地のツェルトは雨を防げないのでタープが必要になる

こんな人にオススメ

○装備の軽量コンパクト化を要求される登山ジャンルに使う人
○ヤブ山地帯など、テントを傷めそうな場所での幕営を考えている人

タープの特徴と使いみち

メリット

○沢登りの幕営に向いている

デメリット

○沢の中でしか使えない
○害虫に弱い

こんな人にオススメ

○沢での幕営に慣れた人

失敗しないテント選び

山岳テントを選ぶときに失敗しないための事例です。

山岳テントの基本的な特徴を理解する

初心者なら山岳テントの特徴が解らなくて当然です。
しかし、、解らないことを解らないままにしている人が多いです。
他人に合わせてなんとなくテントを選んでいる人も多いでしょう。

しかしながら、人によってテントに求めるものは違います。
人に合わせたり、人に聞いても、自分に合ったテントが手に入るとは限りません

山岳テントは構造や生地の違いによって性能はまちまちです。
構造や生地などの基本的な性質から勉強することで、状況に応じたテント選びができるようになります

山岳テントについての知識を深めれば、自分に最適なテント選びができるようになると思います。
当サイトでは、山岳テントに関係する基本的なことを一通り説明してあります。
テントのことがよくわからないといった人は、一度読んでみることをオススメします。

他人の感想はアテにならない

多くの人が山岳テントのレビューをしていますが、鵜呑みにするのは止めたほうがいいでしょう

テント泊経験の初心者とベテランでは、評価の質がぜんぜん違います。
初心者では、テントの性能の基準がわからないので良い悪いの判断はできないハズです。
でも、何だかんだと書いてありますね。

他のジャンルでもそうですが、初心者ほど入れ込むので、初心者ほどレビューをブログ記事にしていることが多いです。
初心者の意見なんか真に受けてたら、ヘタしたら死にますよ。

だって、雪山用の撥水生地のシングルウォールテントを3シーズンモデルと勘違いして使っている人がいるくらいですから。

こういった、マイナスに引きずり込むような悪情報も多いのがインターネットです。
情報の良悪を自分で判断できるくらいの知識がないとヤバイです。

それと、ブログは「悪いことは書きにくい」と言う根本的な背景があります。
山のベテランが書いた記事でも鵜呑みは厳禁です。

ベテランでも、やっぱり人間です。
手に入れたばかりのテントを悪く思いたくないといった心理が働きます。
ですので、普通は明らかな欠陥でもないかぎり悪く評価をすることはありません。

それに、個人ブログの場合、製品に対しての悪い評価は書きにくいという背景もあります。
これは、異論、反論を呼び、ブログが荒れる原因になるからです。

趣味の道具を批評すると、こういったアンチが湧きやすいんですよ。

「これは、自分の好みの問題ですので、考え方は人それぞれ…」という前置きをしておいてもワザワザ批判コメをする人がいます。
正直、面倒です。
ですので、ブログには、できるだけ当たり障りのない記事を書いたりします。

良いことばかりが書かれ、欠点が書かれることは少ないのです。
このことをわきまえていないと、欠点が無いと勘違いしてしまいます。
「欠点が書かれていない」=「良いテント」とは限らないのです。

ですので、ブログ記事はアテにはならないのです。

インターネットの情報全てが参考にならないとは言いません。

ベテランが細かなチェックを入れながら、多くの画像を使って詳細な商品紹介をしているサイトもあります。
気になることを解説していたりと、凄く役に立つ記事もあるのですが、残念ながらそういったサイトはかなり少ないです。

細かい部分の構造も意外と大事

レビューはアテにならないことを説明しました。

しかし、レビューでも唯一参考にできることがあります。
それは、具体的な製品情報です。

テントメーカーの製品紹介では細かな部分までわかりません。
細かい部分でも、使い勝手に大きく影響する場合があるので無視はできません。

レビュー画像などから細かい部分の構造を調べます。
製品の構造を見て、良し悪しを自分で推察するのです。

個人ブログのテント買ったよ画像や、YouTubeのレビュー動画が参考になります。

テントに性能を求めすぎる人は失敗するかも

新しいテントを買ってはオークションで売り払い、また新しいテントを買うといったことを繰り返している人が結構いるみたいです。
自分の求めているものが少しでも違うと思うと買い換えの対象にしているみたいです。

こういった人は、もしかしたらテントに過剰な期待をしているのではないかと思います。

昔のテントなんて「重い、かさばる、組み立てにくい、結露する、雨漏りする、しかも高価」なのが当たり前でした。

この強烈な個性のテントを苦労しながら使っていた経験があると、今のテントなんてどれでも「神」ですよ。
私は、ツェルトですら神と崇めていますから。

そんな不便な道具を使い続けた経験から学んだことがあります。
慣れることも大切」だと。

登山でのテント泊には、それなりの不便さがつきまといます。
でも、回数をこなすうちに、こういった不便は当たり前のこととして受け入れるようになるので気にならなくなります。

でも、一般的な職に就いている現代人なら、テント泊登山に行ける回数なんてたかがしれていると思います。
だから、なかなか慣れることがなくて、何とか不便さを解消しようと道具に性能を求めてしまうのだと思います。

自然の中では、「不便さ」「不快さ」があって当たり前です。
自然を受け入れるという考え方も大切です。

冬のテント泊だから、冬用テントとは限らない

誤解している人が多いですが、3シーズン用テントだから冬に使えないという訳ではありません。
厳密に言うと、3シーズンテントが使えないのは、雪がテントに降り積もる状況です。

ダブルウォールテントのフライ下部に雪が積もると、通気が保てなくなり酸欠事故が起こる危険性があります
積雪期用テント(冬用テント)は、フライシートが通気性の生地でできているので酸欠事故を軽減することができるのです。

しかし、積雪期用テントのフライシートは防水生地ではないので雨は防げません
冬でも雨が降る地域では積雪期用テントは使えません。

積雪期用テントが役に立つのは北海道や東北地方の日本海側の豪雪地帯です。

冬だから冬用テントを使えばいいという訳ではないので注意が必要です。