山岳テント基礎講座 2,テントの種類、日本と海外の違い

このページでは、テントの種類と、日本と海外の山岳テントの違いについて説明しています。

テントの種類

テントは、使用目的に応じて多くのタイプがあります
山岳テントとは「山岳地帯で登山を行うときに使われるテント」のことです。

安易なテント選びはトラブルのもとです。
見た目ではわからない違いもあります。

他のジャンルのテントとの具体的な違いを説明していきます。

また、日本メーカーと海外メーカーのテントの違いも説明していきます。

オートキャンプ用テント

車での持ち運びを前提にして作られているテントです。
ファミリーキャンプで使われることも多いので、大人数用で使えるように大型のものが多いです。

車で運ぶことを前提にしていますので重くてかさばります
快適ですが、設営に時間がかかる、風に弱いといった特徴があります。
もちろん登山には使えません。

ツーリングテント

自転車やバイクのキャンプで使われるテントです。

積載量の関係や、1人で使われることが多いので小型に作られています。
テント自体が小さいので収納サイズもそれほど大きくありません。

ツーリングテントは、山岳用テントに比べると重くてかさばります。
1人用で、ツーリングテントは2500gていど。
軽量な山岳用テントは1500gていどです。

1kgの差は、背負うとハッキリとわかるくらい大きいです。

ツーリングテントは平地での使用を前提にしています。
平地よりも強い風が吹くことが多い山の上では、壊れたり飛ばされるといったトラブルに遭う確率が高まります。

山岳用テント

登山で使っても問題ないように設計されたテントです。

担いで運ぶことを前提にしているので、軽量でコンパクトに収納できるようになっています。

山岳地帯の強風対策もされています。

補強と吹き飛び防止のための張り綱がついています。
張り綱は、細くても強く、軽くてコンパクトにたためる材質のものが選ばれています。
生地は、引き裂きに強くて小さく折りたためるものが選ばれています。
フレームは、軽くて高剛性な材質のものが選ばれています。

見た目はツーリングテントと大差ないように思われますが、「中身は別のもの」と言っていいでしょう。

ツーリングテントは安いものなら1~2万円程度で買えます。
山岳用テントの軽量モデルは安いものでも4万円くらいします。

山岳用テントは高価ですが、それに見合うだけの性能があります。
テントは非常に重要な装備です。
価格だけで決めるといった安易な考え方はしないでください。

ツーリングテントと登山用テントの具体的な見分けかたをお教えします。

それは、すごく単純です。
日本メーカーの場合は、製品ごとに登山に使えることを明言しています。

ですので、「山岳用」あるいは「登山用」に指定されたテントを選べばいいのです。

しかし、厄介なのが海外メーカーのテントです。
どうして厄介なのかを説明したいと思います。

日本と海外の山岳テントの違い

最近では、登山道具をネットで買っている人も多いと思われます。

そして、目を引くのが海外メーカーのテントです。
ネットのカタログを見ると海外メーカーのテントの方が魅力的に見えてしまいがちです。

しかし、安易に海外メーカーのテントを買うのは危険ですよ。
日本と海外では違いがありますから。

海外メーカーのトレッキング用テント

日本ではあまり行われていないのが平地でのトレッキングです。

海外では平地でも雄大な自然をもつ国がたくさんあります。
そういった国では、平地でのトレッキングがさかんに行われています。

トレッキングはテントなど装備一式を担いで歩きます。
担いで持ち運ぶことを前提して作られているので軽くてコンパクトです。

カタログの数値を見ると日本メーカーの山岳用テントと大差ありません。
でも注意が必要です。

海外メーカーのトレッキング用テントでは、日本の山岳地帯での気候に対応できるだけの性能があるとは限りません
そもそも、平地での使用を前提に作られているので、強風に耐える設計がされてない場合もあります。

それに、海外ではほとんど雨が降らない地域もあります。
そういった地域に向けたモデルでは雨を防げない場合があるので注意が必要です。

こういったモデルのダブルウォールテントでは、本体がメッシュでできている製品もあります。
山岳地帯で使うと、「結露した水滴が落ちてくる」「風が防げない」「砂が飛び込む」といったトラブルに見舞われます。

海外メーカーのトレッキング用テントは、日本のツーリングテントを更に軽量コンパクト化したものになっています。
悪天候に耐える性能としては、ツーリングテントと大差ないか、それ以下です。

海外メーカーのトレッキング用テントの特徴を理解できていない人が、カタログだけを見て山岳地帯で使えるテントとして紹介していることが多いので注意が必要です。

トレッキング用テントを山岳地帯で使うと非常に危険です

海外メーカーの山岳登山用テント

日本を代表する山岳地帯である「日本アルプス」では世界中でも珍しい気象の特徴をもっています。
それは、風が強いことと、夏は雨、冬は雪が降ることです。

これは、急峻な山容であることと、海に囲まれた島国であることが関係しています。

海外では山岳地帯でも、風が日本アルプスほど強くない地域もあります。
雨がほとんど降らない地域もあります。

海外の山岳地帯と、日本の山岳地帯では、求められる性能が違います
ですので、海外メーカーの山岳登山用テントでは、日本では使いものにならない場合があります

日本メーカーの山岳テントは、「日本アルプスで使えること」を前提に作られています。
長年にわたり、日本の山と向き合いながら試行錯誤を重ねて作られてきたテントです。
日本メーカーのテントには、カタログからはわからない作り込みがされているのです。

海外メーカーのテントだけ倒壊

某海外メーカーのテントを山岳地帯で使ったら、他のテントは大丈夫なのに自分のテントだけ風で潰されたという人がいます。

また、別の某海外メーカーのテントでは、わずか数年で加水分解という劣化がおこり使いものにならなくなったという事例も数多くあります。

安物テントではありません。
海外では名の通ったメーカーの高価な製品です。

日本の自然状況に対応していないテントではこういったことが起こるのです。

海外メーカーのテント全てが使えないとは思いません。
じゅうぶんな性能を持ったテントもあると思います。

それに、新しいコンセプトで作られた素晴らしい発想の製品もあります。

ですが、残念ながら私には、海外メーカーの山岳登山用テントを他人におすすめすることはできません

私は、「○○だから」という決めつけた考え方は嫌いです。
でも、海外メーカーのテントを使ってもだいじょうぶかと問われたら、「わからない」としか言えません。
数多い海外メーカーの製品を、厳しい条件下でひとつひとつ実際に試して検証するなんてことは不可能です。

壊れかねないものをオススメするなどといった、そんな無責任なことは私にはできません。

海外メーカーのテントが実際どうなのかは検索してみれば解ります。

[海外テントの製品名]+[フレーム破損][フレーム修理][加水分解][ベタベタ][くさい][雨漏り][欠陥]
とかのキーワードで検索してみてください。
ユーザーの生の声が聞けますから。

これは酷いと思わされる製品も数多く存在しているのです。
カタログや紹介サイトの言葉を鵜呑みにするのは危険です

海外でのビジネス戦略は日本のテントメーカーの遙か上をいっていると思います。
ユーザーが欲しがる性能や説明を的確にプレゼンテーションしています。
ですので、テントについての深い知識が無いと、「これは凄いと」飛びつくことになりかねません。

テントはあなたの命を守ってくれる大切な仲間です。
うわべや見せかけにだまされてはいけません。

海外メーカーのテントを使いたいならしっかりと下調べしてから使うことをおすすめします。
それから私は、海外メーカーテントの使用を否定する気はありませんので誤解されないようにお願い申し上げます。

まとめ

■山岳テントとは
○山岳地帯で登山を行うときに使われるテント
■オートキャンプ用テント
○重くかさばる
○耐風性能が弱い
■ツーリングテント
○耐風性能が弱い
■山岳用テント
○多くの性能に優れている
○中身は別物
■海外メーカーのトレッキング用テント
○日本で使えるとは限らない
○山岳地帯で使うことが考えられていない
■海外メーカーの山岳登山用テント
○日本の山で使えるとは限らない
○導入するなら慎重に検討したほうがいい